相手に一歩歩み寄る会話術

「相手に変わってほしい」
そんな声をよく耳にします。

 

「頼りがいのある上司であってほしい」
「素直で言うことを聞く部下であってほしい」
「家事も育児ももっと上手くこなす妻であってほしい」
「夫に感謝の気持ちをもってほしい」

相手への「こうであってほしい」という理想と目の前の現実
ギャップが大きければ大きいほど不満となり
怒りや悲しみでいっぱいになる。
相手がこうなればいいのに
ああしてくれたらいいのに
自分の中に溜めてしまうと
人間関係がギクシャクしてしまうこともあります。

「自分は変えられるが、他人は変えられない」
そんなどこにでも転がっている正論は聞きたくない。

「今のあなたはではダメだから、変わってほしい!」
と感情をぶつけるだけでは、相手の心に届かない。

届かないだけでなく、相手から攻撃的態度をうけたり
無力感をうえつけられる結果にもなりかねない。

そんな時は、
相手への理想はいったん脇に置いて
相手ができる「実現可能で」「具体的な」
お願いを「ひとつ」伝えてみませんか?

たとえば
「頼りがいのある上司になってほしい」
というのは、抽象的な願いです。

そこで、
「業務ことで10分ほど相談の時間をとってほしい」
という願いであれば、具体的な一歩になりそうです。

「家事も育児ももっと上手くこなす妻であってほしい」
自分が思う「上手くこなす」ための提案をしてみる。

「使った食器をすぐ洗うと、僕は気持ちよく感じるんだ。
鍋も入れられる大きな食洗機を買って、
使い終わった食器はすぐに入れて洗うって、どうかな?」

相手がこうなればいいのに
ああしてくれたらいいのに

自分だけが我慢するのではなく
相手に変わってほしいと求めるだけではなく
自分も相手も尊重しながら少しずつ歩み寄っていく
それがコミュニケーションなのです。